今回は新旧2つのPCでCPUの性能を比較してみます。
Cinebench でCPU性能テスト
Cinebench は、3DCGソフト Cinema4D のレンダリングコアをベースにした無料のベンチマークソフトです。CGのレンダリング処理を実際に行い、CPUパワーを測定します(グラフィックボードの機能は使用しません)。
3DCGは一般的に画像全体を小さな正方形のエリアに分割し、各エリアごとに描画を分けて処理を行っていきますが、通常この小さな正方形はスレッドの数だけ同時に描画され、並列に処理が行われます。
したがってCGのレンダリングはCPUのコア・スレッド数が多いほど、有利になります。
Cinebench 比較(Core i 6700 / 7800X / 9900K / 12700KF)
前回に引き続き新旧2つのPCに加え、僕が職場で使用中の2つのPCも加え、合計4台のPCでテストしてみました。
ちなみにですが、Cinebench実行中にリソースモニターで確認すると、たしかにCPUのスレッドがすべて使用され、CPUのリソースを100%フルに使っていることがわかります。
下記がそのスコア結果です。
旧PC | 会社PC1 | 会社PC2 | 新PC | |
---|---|---|---|---|
CPU | Core-i7 6700 | Core-i7 7800X | Core-i9 9900K | Core-i7 12700KF |
CPU発売開始 | 2015年8月 | 2017年1月 | 2018年10月 | 2021年11月 |
GPU | GeForce GTX 1060 6GB | GeForce GTX 1080 Ti | GeForce RTX 2070 SUPER | GeForce RTX 3060 12GB |
メモリ | 40GB | 32GB | 64GB | 64GB |
Cinebenchスコア | 4668 | 7156 | 10741 | 21638 |
上記のCinebenchスコアを縦軸、CPUの発売時期を横軸にグラフ化すると下図のようになります。
縦軸は対数表示ですので、直線的に増えているということは、性能が指数関数的にアップしていることになります。
ムーアの法則(CPUの性能は18ヶ月ごとに倍増する)と比べてみると?
Core i7-6700(2015年8月)と Core i7-12700KF(2021年11月) の発売時期は、約75ヶ月間の開きがあります。
もしこの間にムーアの法則に従って順調に性能が上がっていたとすれば(18ヶ月ごとに2倍上がっていたとすれば)、Core-i7 12700KFのスコアはCore i7-670に比べ、8.3倍になっているはずですが・・。
旧PC | 新PC | 倍率 | |
---|---|---|---|
CPU | Core-i7 6700 | Core-i7 12700KF | |
発売時期 | 2015年8月 | 2021年11月 | |
ムーアの法則 | 4668 | 38744 | 8.3倍 |
実際の値 | 4668 | 21638 | 4.6倍 |
上記のように、ムーアの法則によれば8.3倍になるはずの値が、4.6倍ほどとなっています。
ムーアの法則を同じグラフにプロットしてみると、下図のようにいずれの世代もムーアの法則を下回っていることがわかります。
ここから逆算すると、
修正ムーアの法則:CPUの性能は18ヶ月で1.1倍しか増えない
ということが言えると思います(あくまでCinebenchの結果だけですが・・)。
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