前回の記事では Cyberpunk 2077 ベンチマークテストを実施しましたが、新しいPCを購入した本来の目的は「動画編集を高速に行う」こと。
そこで動画編集ソフトの Davinci Resolve Studio で、動画編集・書き出しのパフォーマンスがどれくらい変わるかチェックしました。
テスト Davinci Resolve Studio 18 でフルHD動画編集
まず、フルHD解像度の動画を40クリップほど並べ、本編が2分15秒の尺となるよう編集したプロジェクトを作ります。素材の動画はいずれも 1920 x1080px、H.264(8bit)、25Mbps という比較的軽いデータです。
このプロジェクトを1本のフルHD動画に書き出す際の所要時間を、新旧2つのPCで比較しました。
結果を下に示します。
旧PC | 新PC | |
---|---|---|
CPU | Core-i7 6700 | Core-i7 12700KF |
GPU | GeForce GTX 1060 6GB | GeForce RTX 3060 12GB |
メモリ | 40GB | 64GB |
書き出し時間 | 103秒 | 73秒 |
書き出し速度 | 29.8フレーム/秒 | 44.5フレーム/秒 |
書き出し速度 約1.5 倍アップ
書き出し速度で比較すると、新PCは旧PCよりも約1.5倍速くなっています。ちなみに編集する際は、旧PCでもコマ落ちなくリアルタイムに動画の再生・編集が可能で、ストレスはあまり感じません。
ちなみに書き出した動画はこちらです↓
テスト Davinci Resolve Studio 18 で4K動画編集
今度は、データ量の多い4K動画で撮影した場合に、パフォーマンスがどう変わるかを調べました。
3840 x 2160px、H.265、4:2:2 10bit、ビットレート280Mbpsというかなり高画質で撮影した素材を用意して、3分24秒の動画を編集したプロジェクトを用意します。
厳密には280Mbpsの4K動画が25クリップ、15MbpsのフルHD動画が4クリップ混在しています。
これを1本のフルHD動画に書き出す際の所要時間を、新旧2つのPCで比較しました。
結果を下に示します。
旧PC | 新PC | |
---|---|---|
CPU | Core-i7 6700 | Core-i7 12700KF |
GPU | GeForce GTX 1060 6GB | GeForce RTX 3060 12GB |
メモリ | 40GB | 64GB |
書き出し時間 | 377秒 | 172秒 |
書き出し速度 | 11.8フレーム/秒 | 25.8フレーム/秒 |
書き出し速度 約2.2 倍アップ
こちらは約2.2倍速い結果となりました。
ちなみに素材の4K動画がかなり重いファイルとなっており、編集する際には新しいPCでも再生がコマ落ちします。ビットレートが280Mbpsもあるため、4K動画を快適に編集したい場合、もっと早いストレージが必要です。
ちなみに書き出した動画はこちらです↓
まとめ
というわけで、フルHD素材を編集した場合は約1.5倍、4K動画を編集した場合は約2.2倍の書き出し速度UPという結果でした。プロジェクトが異なるため、一概には言えませんが、動画を書き出す際には1.5~2倍ほどの速度UPが期待できます。
ムーアの法則に従っていない?
ここで1つ疑問が生じました。新旧PCに使用されているCPUやGPUは開発時期に約5年以上の開きがあります。ここで、有名なムーアの法則を思い出してみると
ムーアの法則:CPUの性能は18ヶ月ごとに倍増する
となるはずですが・・・。
あれ?
実際はおよそ5年で約2倍程度しかUPしていない
という結果になっています。5年(60か月)の開きがあれば、
60 ÷ 18 × 2 = 6.7倍
は、速度が上がってしかるべきなのに・・・。
実際、90年代後半のPCブームの際はPentium、PentiumII、PentiumIIIなどの新製品が続々と発表され、CPUの動作クロックも300Mhz→600Mhz→1.2GHzと倍々に上がっていた時代がありました。
ところが最近ではCPUの性能UPが頭打ちになってきているようで、事実、前のPCを購入してから約5年間、僕は性能の陳腐化をそれほど感じていません。
というわけで、次回はベンチマークソフトを使ってCPUの性能の進化がムーアの法則とどれだけずれているのか検証してみたいと思います。
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